
「露草と蝸牛」
この作品にもお祖母さまとの素敵なストーリーがあるようです。
「祖母は茶道の心得があり草花の好きな人でした。
梅雨時にわたしが庭で蝸牛を捕まえてくると
「たくさんの露草と一緒に虫籠に入れて霧吹きをかけてあげな」とよく言われました。
なぜ蝸牛には露草が良かったのかその意味は分からずじまいですが
たくさんの露草に蝸牛が埋もれている姿が幼い時分の私には、なんだか好ましく思えたのでした。
こうして私の中だけに残されていく美しい風景や
どこにも記録されないような祖母とのやりとりが、
自分の外の世界のどこかで存在していて欲しい。
そんな“記憶の記録”を形にしたくて制作いたしました。
露草にまぎれているちょこんとした蝸牛をぜひ探してみて下さい。」
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